歯科医師臨床研修制度は、平成18年より義務化されました。国家試験に合格したばかりの歯科医師が、基本的な診療能力を身に付けるために、厚生労働省が定める到達目標を達成させるための重要な1年間となります。この研修を通じて歯科医師としての基盤を形成し、将来の方向性を決めることになるといっても、決して過言ではないと思います。その目的に向かって皆さんを、全力を挙げてサポートしていきます。
これからは人から与えられるのではなく、自分の意志で自分の望む、そして理想とする歯科医師としての道を切り開いていくことになります。どのような歯科医師になるかは、まさに皆さんの気持ちと行動に託されているわけです。臨床研修医は指導医の先生方に色々な指導をして頂き研修を進めるわけですが、決して学生ではありません。歴とした社会人なのですから、その行動については十分な責任と自覚を持って頂き、目標に向かって邁進して頂きたいと思います。
大学の附属病院で研修するということは各専門分野のエキスパートが周囲にいるということになります。このような環境を利用しない手はありません。診療で疑問に感じたこと、興味があることは指導医のみならず、各診療科を訪ね、教授を初めとする先輩の先生方に積極的なコンタクトを取り、知識を高める努力をして頂くことをお勧めします。
鶴見大学歯学部附属病院の基本理念は『大覚円成』『報恩行持』の精神に基づく、医療を実践することであります。これは歯科医師として、人として自らの能力を高め、患者様そして社会に貢献するということです。どうかこの気持ちを持ち、有意義な研修を送っていただきたいと思います。
令和6年4月1日
鶴見大学歯学部附属病院
病院長 小川 匠