文化財は、人間の文化活動によって生み出されたものです。
仏像、古文書、土器、美術品などさまざまな文化財を次世代に継承するために歴史学・考古学・美術史学・文化財科学などの学識や技能の総合的な修得を目指し実物・実地・実体験主義で学びます。
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1年次の前期に関東近郊の巡検、2年次の夏休みに発掘、後期に古文書の修理、3年次の前期に分析、夏休みに美術工芸品の取り扱い、4年次の夏休みに1週間の巡検などがあります。
1年次から専門の「考古学」「地理学」「文化人類学」「文化財研究法」を学びます。「文化財研究法」はオムニバス形式で、8人の教員が文化財の世界を広く紹介します。
2年次から専攻の選択があります。個人の興味、将来の進路に合わせて、「歴史・地理系列」「考古・美術系列」「文化財系列」の 3つの科目群から1つを選択し、専門性を高めます。
※選択したコースの科目群だけではなく、他のコースの科目も履修することができます。
諸々の見学や観察(視覚・嗅覚・触覚)のほか、茶碗や掛軸、火縄銃、刀剣などを扱う授業があります。また、和楽器(聴覚)を体験する研究会もあります。
横川 稜平さん
文化財学科4年 神奈川県 鶴見大学附属高等学校出身
文化財の意義と大切さを人びとに伝えていきたい
将来は文化財に関わる仕事に就きたいと思い、文化財に関するさまざまな分野を横断的に学び、幅広い知識・情報・技術を修得できる本学科へ進学しました。実際に遺跡や博物館を訪れ、現場で活躍する方のお話を聞きながら見学。遺物整理や発掘作業、古文書の修理技術や分析器の使い方、美術工芸品の扱い方など、非常に専門性の高い学びを続けています。卒業後は、文化財の意義と大切さを多くの方々に伝えていきたいと考えています。
図書館司書や学芸員の資格も取得できます。
文学部では人文系学芸員の養成講座を開設し、学芸員の資格を取得できるよう指導しています。
森 咲音 さん
報国寺
文化財学科 2019年3月卒業 大学院文学研究科 博士前期課程 2022年3月修了
本学科は多種多様な文化財にふれられる経験が数多くあります。資格取得には実践力が必要で、教授のアドバイスで美術品取り扱いの実習のサポートを行うスチューデントアシスタントやティーチングアシスタント、調査の随行、院生時には博物館施設でのアルバイトなどを経験。自分の力を磨き、高める数々の機会が今の私の土台になっています。
堀内 慶道さん
曹洞宗 僧侶
文化財学科 2020年3月卒業
実家は曹洞宗のお寺です。本学には僧侶を養成する学科はありませんが、さまざまな分野の学生が学ぶ環境で見聞を広めたいと考えて進学しました。当時、文化財学科で宗教学・仏教学の専門家であり僧侶の先生がおられ、僧侶としての知識を教えていただきました。現在は、曹洞宗宗務庁でイベントの運営や企画を担当しています。曹洞宗僧侶としての修行を続けつつ、檀信徒の方々との交流を深めていきます。