文化財は、人間の文化活動によって生み出されたものです。
仏像から、古文書、土器、美術品など有形無形さまざまな文化財を次世代に継承するために、歴史学・考古学・美術史学・文化財科学などの学識や技能の総合的な修得を目指し、実物・実地・実体験主義で学びます。
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1年次の前期に関東近郊の巡検、2年次の夏休みに発掘、後期に古文書の修理、3年次の前期に分析、夏休みに美術工芸品の取り扱い、4年次の夏休みに1週間の巡検などがあります。
1年次から専門の「考古学」「地理学」「文化人類学」「文化財研究法」を学びます。「文化財研究法」はオムニバス形式で、8人の教員が文化財の世界を広く紹介します。
2年次から専攻の選択があります。
個人の興味、将来の進路に合わせて、「歴史・地理系列」「考古・美術系列」「文化財系列」の3つの科目群から1つを選択し、専門性を高めます。
諸々の見学や観察(視覚・嗅覚・味覚)のほか、茶碗や掛軸、火縄銃、刀剣などの扱い(触覚)に触れる授業があります。また、和楽器(聴覚)を体験する研究会もあります。
伊禮 拓郎 さん
沖縄県立博物館・美術館
文化財学科 2017年3月卒業
沖縄出身で、地元の博物館で働きたかった私に、先生が「沖縄と関係が深かった本土や中国のことを学ぶと、より理解できる」とさまざまな美術工芸品を見せてくれたこと、学科内のうるし研究部会で先輩たちから学んだことなど、鶴見大学だからこその学習環境がとても役立ちました。資格取得は、卒業単位にはなりませんが、就職活動では大きなアドバンテージになりました。授業や課外活動と頑張って両立させて良かったです。
飯山 大治郎さん
株式会社イビソク
文化財学科 2019年3月卒業卒業
地下に埋蔵される文化財が原状保存できない場合に、記録保存を目的として行う発掘調査に携わっています。当社の場合は広域展開をしているため、日本全国の遺跡に触れ合えるのが魅力です。また発掘調査で必要なのは考古学だけではないので、大学で学んだことのすべてが活かされているといっても過言ではありません。出土した遺物の中には木製品もあれば鉄製品もあるため、保存科学の知識はもとより、出土品を展示する際には学芸員としての知識も必要です。文化財学科のメリットは、文化財に関わる多様な分野を共通科目として履修できるところだと思います。発掘調査は地下に埋まってしまった文化財を掘り返し調査を行うことで結果的に破壊を伴うため、歴史的な事項を見逃さないよう、今後も誠意と責任を持って仕事に取り組んでいきたいです。