あけましておめでとうございます。新春の貴重書展は源氏物語研究所が担当しています。今回は「紫式部―史実と伝説―」と題しました。昨今、ドラマの影響もあり、紫式部への関心が高まっています。果たして実際の紫式部はどのような存在で、どのような人生を歩んだのでしょうか。
もっとも、1000年以上も前に生きていた人の生涯など、現代の我々には知る由もありません。その手がかりとなるのが書物です。紫式部は『紫式部日記』や『紫式部集』を遺し、さらに『栄花物語』などの後代の文献にもその名が見えます。しかし、いずれも作者自筆本は現存せず、これらの作品は長らく手書きで写され伝わってきました。そのため、書写のたびに書き間違いなどが生じたほか、何らかの意図によって内容が書き換えられる場合もありました。つまり、現代の我々が目にできる『紫式部日記』なり『紫式部集』なりは、そうした大小の錯誤や改変を含んでいるはずなのです。したがって、紫式部について文献から知るためには、前段階として、現存する書物に幅広く目を通し、それぞれの特徴や信頼性などを調査する必要があります。源氏物語研究所が『源氏物語』とそれに関連する古典籍の蒐集に尽力しているのも、そのためです。
今回展示できたのはさまざまな文献に記された紫式部の情報の一部に過ぎませんが、ひとつひとつ意匠を凝らした書物の素晴らしさとともにお楽しみください。
2025年1月 源氏物語研究所
期間:2025年1月21日(火曜日)~2月20日(木曜日)
場所:鶴見大学図書館 1階エントランス
開館時間:
休館日:
鶴見大学図書館
〒230-8501 横浜市鶴見区鶴見2-1-3
045-580-8274
JR京浜東北線 鶴見駅 徒歩5分
京浜急行線 京急鶴見駅 徒歩7分
※それぞれ図書館まではおよそ倍の時間がかかりますのでご注意ください。
入場無料です。
学外の方の入館について:入館ゲート横のチャイムを鳴らすとスタッフがゲートを開けます。入館の際は「展示を見る」など目的をお知らせください。お帰りの際もスタッフまでお知らせください。
開館時間が変更になる場合は、図書館ホームページにてお知らせいたします。