昨今、社会では様々な場面で生成系AIの利用が進んでいます。生成系AIの能力と利便性は極めて高く、大きな社会変革をもたらす可能性を秘めており、それと共存する社会に向けて個々人が準備を進めていく必要があります。
ただし、生成系AI を利用するにあたっては、様々な問題があることを認識しなければなりません。自らの学修や研究につながる等の利点もある一方、入力するデータ内容や出力される生成物の利用方法によっては、法令違反や個人情報流出等の危険性があります。
それらを踏まえ、学生・教職員が十分な理解と認識のもと、教育・研究活動等を適切に実施していくため、本学では生成系AIの利用に関する方針を以下のとおりとします。
なお、今後も急速な技術の進歩が続くことが想定されます。生成系AIに関する実態の把握に努めつつ、政府などからの指針・ガイドライン等を踏まえ、本方針を適宜見直していきます。
本学では生成系AIの利用について一律に禁止することはいたしません。生成系AIが今後社会に普及、浸透し生活の一部になっていくことを考えると、一律に禁止することは現実的ではないからです。また、生成系AIから出力された生成物を上手に使いこなすことができれば、教育・研究活動等が飛躍的に向上することも考えられます。
学生・教職員が生成系AIを利用するリテラシーを身に付け、教育・研究活動等に適切にかつ積極的に活用できるようになることが重要だと考えます。
大学における学修は学生が主体的に学ぶことが本質であり、生成系AIを上手に使うことにより、論点整理や情報収集等に活用でき、学修を深めることが可能と考えます。また、教員にとっても、授業等で生成系AIを適切に活⽤した教育を進めていくことで、教育効果を高める可能性もあります。
ただし、生成系AIで出力された生成物には間違いや不正確、矛盾するものも含まれるため、学生・教員自身が十分に確認することが重要です。学生は、レポートや課題、論文等を作成する際、引用元や参考とした資料等の出典を明記せず、生成系AIから出力された内容をそのまま書き写したことが確認された際は、成績評価等に対し厳格な対応がなされる場合がありますので注意してください。また、教員は、レポートや課題、論文等の評価等を行うために生成系AIから出力された内容かどうかを判定するツールを用いたとしても、必ずしも正確ではないことに留意してください。
なお、授業内容等によっては、生成系AIの利用を禁止する、あるいは条件や制限を課す場合がありますので、学生は科目担当教員や指導教員の指示に従ってください。
生成系AIは研究者に対して新たな知見や洞察、創造性を生み出す可能性があります。今のところ、データの解析や仮説の検証、あるいは論文・著書等の素案作成を支援するツールとしての利用が想定されますが、生成系AIが研究活動においてどのように利用できるかについてはまだ発展途上の段階です。学内外で情報収集を図り、研究活動を加速させるような利用の在り方について検討していきます。
なお、生成系AIを利用する際は、研究公正の観点からも「捏造」「改竄」「盗用」といったリスクに留意しながら、研究に係る各種法令や学内の諸規程、所属学会・論文投稿先の規則等に従ってください。
令和5年11月27日
鶴見大学・鶴見大学短期大学部
学長 中 根 正 賢