初春恒例の展示は、源氏物語を主題としております。昨今日本の伝統文化や古典に世間の関心が集まる中、特に源氏物語の人気は高まる一方と申してよろしいでしょう。それは勿論結構な話ではありますけれど、底の浅い流行現象に終わらないためには、世間の風潮からひとまず離れて、心静かに、そして楽しく書物と語らうことこそ望ましいのではないでしょうか。
今回は、登場人物の周りを飾り日常生活の彩りとなった小道具に光を当てました。いつもは脇役端役として扱われておりますが、それらの一つ一つを取り上げてみますと、なかなかの個性です。展示では、『源氏物語』を細部においてしっかりと支えた几帳・火桶の類から武具まで選んでみました。これら以外に、被り物・食器・文房四宝など、重要な小道具は多く数えられますが、施設の制約もあり割愛せざるを得ません。それは担当者の言い訳として、皆様にはとにかく展示を楽しんでいただきたく存じます。『源氏物語』は申すまでもなく、書物もまた理屈抜きに素晴らしいのですから。
(日本文学科教授 高田信敬)
◆第148回鶴見大学図書館貴重書展「源氏物語の小道具」
【会期】平成30年1月30日 火曜日~2月28日 火曜日
【場所】鶴見大学図書館1階エントランス
【開館時間】平日 8時50分~20時 土曜 8時50分~18時 日曜・祝日閉館
※1月30日 火曜日、31日 水曜日は21時まで開館
入場無料
◆講演会
講演会「席の示し方―源氏物語円座異解―」
講師 高田信敬(本学文学部教授)
【日時】平成30年2月24日 土曜日 14時~15時
【場所】鶴見大学図書館地下1階ホール
※事前申込不要・参加費無料 直接会場へお越しください。
お問い合わせ
鶴見大学図書館 TEL:045-580-8274
アクセス
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展示資料など詳細はこちらから
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