資料探索 事例集

日本文学編

Q:ツルゲーネフの作品「めぐりあひ」(短編)の二葉亭四迷訳の初出を見たい。

A:「*日本近代文学大事典 」(参考910月26日03/N)を検索。3巻p180bに「都の花」(M21/10/M22/1)に訳載とある。「都の花」をOPAC(蔵書検索システム)で検索。復刻版を所蔵。こちらを紹介。

Q:鉄幹の歌で、"人をこうる歌"の全部を見たい。

A:「*日本近代文学大事典 」(参考910月26日03/N)及び「現代短歌大事典」(参考911月16日/G)で、鉄幹の"代表歌"を調べるが載っていない。「*近代文学研究叢書(昭和女子大)」(910月26日/K)の著作年表(p37)から"人を恋ふる歌"と判明。 初出「よしあし草」明治33年2月20日。複製版を所蔵。こちらを紹介。「よし阿志艸」第23号(明治32年12月)p40

Q:「カチカチ山」「舌切り雀」の原文を見たい。

A:平凡社「*世界大百科事典」(CD-ROM版)で検索。それぞれに解説があり。「カチカチ山」は滝沢馬琴の「燕石雑志」(914.508/M)に収載があり、「舌切り雀」は「宇治拾遺物語」(913.47/U)に「雀報恩事」として収載されている。OPAC(蔵書検索システム)で検索。どちらも本学所蔵。

Q:古典作品の"変体かな"を"現代かな"に直したい。

A:「用例かな大字典」(参考811月5日03/Y)を紹介。国文資料と歴史資料に分けられていて、国文資料の中は、さらに古代・中世と近世版本に分けられていて便利。参考資料には、"時代別片仮名字体表"と"万葉仮名一覧"もある。

Q:小杉未醒著"陣中詩編"にある"帰れ弟"という詩を見たい。

A:OPAC(蔵書検索システム)で"小杉未醒"と"陣中詩"をそれぞれ検索してみるが、ヒットせず。 「*Nacsis-webcat」 で同じように検索。"陣中詩編"でヒット。「明治社会主義文学集 83-84巻」(918.6/M)の中に採録されていることがわかる。本学所蔵。Nacsis-webcatの書誌情報には、内容細目がついているものも多く、すべてではないが内容から検索することが可能。鶴見大学の所蔵も併せて見ることができる。本学所蔵こちらを紹介。

Q:"世中にたえてさくらのなかりせば・・・"の和歌の全部と作者、歌がとられている歌集を知りたい。歌の詳しい解釈もほしい。

A:「*新編国歌大観」(911月10日8/S)の索引で、"世中に"の句を検索すると、1古今 53とあり。凡例で略称を確認すると、 古今=古今和歌集。「新編国歌大観」歌集の目次から古今和歌集の53番をみると、歌の全部と作者がでている。作者は、在原業平。全部は"・・・春のこころはのどけからまし"上の句がわからなくても中間の句や下の句からもが検索可能。 「新編国歌大観」は歌集の種類ごとに(勅撰集・私歌集・歌合せ等々・・・)"歌集"と"索引"がセットになっている。歌集の種類がわからない場合には、みつかるまですべての索引を引く必要がある。全10巻。 歌の詳しい解釈は、評釈書や注釈書を探す。"古今和歌集"+"評釈"でOPAC(蔵書検索システム)を検索すると、35件ヒット。その中から、「古今和歌集全評釈 」(911月13日51/K)を選ぶ。評釈書も歌番号(53番)で検索ができる。こちらを紹介。 「*新編国歌大観」(911月10日8/S)はCD-ROM版があります。

Q:御伽草子の中の"瓜姫物語"の翻刻されたもの(活字になったもの)とその絵巻が見たい。瓜が流れてくる川が描かれているらしい。

A:本学の所蔵検索では"瓜姫物語"ではヒットせず。「*日本古典文学大辞典」(参考910月3日/N)で調べてみると、翻刻は、1.「古典文庫:未刊中世小説3」(918/T)2.「神道物語集」3.「室町時代物語大成:2」(913.408/M) 4.「日本古典文学全集:御伽草子集」(918/N)にあることがわかる。それぞれを再度、OPAC(蔵書検索システム)で検索してみると 2を除きすべて所蔵。4「日本古典文学全集:御伽草子集」(918/N)が現代語訳付なのでこちらを紹介。 絵巻につては、4にも挿絵として多少載っているが、利用者が希望のものはなし。 日本古典文学大辞典の記述に、絵巻の断簡が雑誌「ミュージアム」昭和36年8月号に紹介されたとある。 ミュージアム(正式な誌名は"Museum"本学所蔵)にあたってみると、川が描かれている絵巻断簡あり。こちらを紹介。 後日、「角川絵巻物総覧」(参考721.2/K)にもあたってみるが、内容の梗概と解説のみ。絵巻は個人蔵」となっている。しかし、絵巻の断簡のことは、日本古典文学大辞典の記述と同様の記述がのっていた。

Q:梶井基次郎の短編小説"泥濘"の読みを知りたい。

A:漢字は"でいねい""ぬかるみ""ぬかり"といろいろに読めるが、作品なので固有の読み方が存在する「*Nacsis-webcat」でも読みをみることはできるが、短編については、読みの記述なし。「日本文学作品よみかた辞典」(参考910月3日/N)にあたり、音訓読みガイドで探す。 泥濘=でいねい

Q:湖月抄(源氏物語の注釈書)の"夕顔"の巻の頭注に揚げられている、「毛詩」の句"一日不見、如三月"の詩の全部を見たい。

A:OPAC(蔵書検索システム)で、"毛詩"と"索引"で掛け合わせ検索すると、「毛詩逐字索引」(921.32/M)がヒット。索引は"字"から検索できる。句の冒頭でも中間でも検索可能。但し、ピン音索引なので、あらかじめ"日中辞典"などでピン音を調べておかないと時間がかかる。 "国風鄭風"の中の"子衿"の作だとわかる。(索引p41) 念のため、「漢詩名句辞典」(参考921.03/K)を句の冒頭"一日"で検索してみると、句の詳しい解説が載っており、詩の全部と書き下し文も掲載している。こちらも、併せて紹介する。 注:ピン音の簡単な調べ方 「簡明日中辞典/東方書店」(参考823/K)の巻末に音訓索引があり、現代かなづかいの五十音順になっている。漢字にピン音を併記している。

Q:宗祇が注釈している古今和歌集を見たい。活字本を希望。

A:OPAC(蔵書検索システム)で、宗祇と古今和歌集を掛け合わせて検索してみるがヒットせず。 「*国書基本データべース(国文学研究資料館)」で再度検索すると4件ヒット。 「古今和歌集両度聞書」「古今和歌集古聞」「古今和歌集宗祇聞書」「十口抄」。それぞれを「*国書総目録 」(参考025.1/K)で翻刻があるかどうか調べてみるが翻刻(活字本)の記載は無。さらに「*日本古典文学大辞典 」(参考910月3日/N)を調べてみると、「古今和歌集両度聞書」に翻刻があることがわかる。さらにこの資料が「中世古今集注釈書解題」(911月13日51/K)に 収録されていることがわかる。所蔵しているので、現物にあたると, 第3巻に解題、第4巻の資料編に翻刻された本文が載っている。他の3つの資料については不明。 国文学研究資料館のマイクロ資料目録で検索すると、4件ともマイクロ資料はあり。

Q:延徳2年(1492年)4月2日に行われた連句の会で、親康と言う人が発句を詠んでいる百番聯句原文(活字でも良い)が見たい。

A:「連歌総目録」(参考911月2日/R)で、時代から検索。大阪天満宮所蔵(天満宮の目録もあり)を確認するが、複製・翻刻はなし。「貴重書閲覧願」を作成し、所蔵館に直接閲覧に行ってもらう。 「連歌総目録」は成立年代順のほか、作者索引もあり。

Q:卒論で、与謝野晶子について研究していてるが、晶子が連載していた少女雑誌4誌の出版社と創刊年月日を知りたい。1.少女の友 2.女学雑誌 3.少女画報 4.新少女

A:まず、雑誌名で「*Nacsis-webcat」 を検索。2(女学雑誌)を除く3誌については創刊号からの所蔵館がなく、創刊月日不明。1,2は、「雑誌新聞文献事典 」(参考027.5/A)に記載あり。 3は、「*日本近代文学大事典」第5巻:新聞・雑誌.(参考910月26日03/N) に記載あり。4(新少女)については、 目録類にも辞典類にも見当たらず不明。与謝野晶子の年譜にもあたるが、記載なし。インターネット検索の結果、大正4年から連載を開始し、竹久夢二が挿絵を描いていることがわかる。竹久夢二の複数の年譜にあたる。記載あり。大正4年4月創刊。「私の竹久夢二」(911月5日/T-14-U)ほか

Q:「福神江島台」(ふくじんえのしまだい)という資料の翻刻が見たい。江戸時代の資料。翻刻がなければ、複製でもOK。

A:「*国書総目録」(参考025.1/K) を検索するが、活字本の記載はなし。「*Nacsis-webcat」にもなし。 「国書総目録」から十返舎一九作、黄表紙本だとわかったので、OPAC(蔵書検索システム)で一九の全集を探す。「十返舎一九全集」全4巻(913.55/J)を所蔵。現物にあたるが、「福神江島台」は未収録。そのほか、本学所蔵の黄表紙本にもいくつかあたってみるが、やはり未収録。 解題は「黄表紙總覽 」(参考913.57/T)中巻にあり。 「*マイクロ資料・和古書目録(国文学研究資料館)」で検索。マイクロ資料あり。こちらを紹介。 国文学研究資料館は紹介状なしでも閲覧可能。

Q:宗高(連歌人)の"古筆切「源氏物語注」鈴虫"を見たい。「古今墨林」にあるらしい。

A:「古筆切提要ー複製手鑑索引」(参考728.8031/K)に「名家古筆手鑑集」昭和46年思文閣刊の中に "古今墨林"が含まれているという記載がある。(7p) この「名家古筆手鑑集」を「*Nacsis-webcat」、「*国立国会図書館(Ndl)」、「*東京都立図書館」等いろいろ検索してみるが、所蔵なし。「古今墨林」についても同じ。こちらは、「*国書総目録 」(参考025.1/K)を検索するが記載なし。宗高でも検索するが「源氏物語注」なし。「名家古筆手鑑集」不明のため手段なく、思文閣に問い合わせたところ、販売目録と判明。現在在庫なし。本学教員が所蔵していることが判明。(個人蔵のため、閲覧希望には応じられません。)

Q:「蕗摺」(読み不明)という資料を見たい。連歌・俳諧関係の雑誌だと思う。

A:「*Nacsis-webcat」・「*国立国会図書館(Ndl)」・「*東京都立図書館」の蔵書検索を行う。所蔵なし。 念のため「*マイクロ資料・和古書目録(国文学研究資料館)」 を検索するが、こちらもなし。インターネットで検索をかけてみると、雑誌としては出てこないが、秋田の郷土工芸として"蕗摺"(フキズリ)というものがあることがわかる。秋田で出した同人誌のようなものの可能性あり。本学所蔵の「俳文学大辞典」(参考911月30日3/H)に"フキズリ"で検索すると、俳誌として明治32年に秋田市で創刊され、明治37年12月に6巻6号で終刊。「俳詩」に改題とある。(p803) 秋田県立図書館のOPACを検索。4巻1号-6巻6号(終刊)まで所蔵あり。改題の「俳詩」も秋田県立図書館で所蔵。 秋田県立図書館に複写依頼をする。

Q:節用集、語林類葉などの複数の古い辞典の成立年代を知りたい。

A:「日本辞書辞典」(参考028/N)を紹介。解題と翻刻・複製の情報がある。成立順の辞書年表あり。その他に、事項索引・人名索引・書名索引があり、便利。

中国文学編

Q:北魏書の原本(本文)が見たい

A:「*中国学芸大事典」(参考920.3/K)で"北魏書"収録資料を調べる。「二十五史術要」にあると出ているが、本学所蔵なし。魏書とも言うことから"魏書"で「*Nacsis-webcat」 を検索。多数資料がヒットするが、本学所蔵は「百衲本二十四史 王雲五主編 ;16, 17, 18」(222.0/H)のみ。この資料を紹介する。

Q:真山民という人が書いた漢詩「山中梅」の原文を見たい

A:真山民(シンサンミン)という人を「*中国学芸大事典 」(参考920.3/K)で調べる。宋のひとで、「真山民詩集」というものがあり、さらに「真山民詩集」を中国学芸大辞典で調べてみると「和刻本漢詩集成 16巻」(920.8/N)に収録されていることがわかる。 本学所蔵。この資料を紹介。

Q:ある小説で次の句を引用していた。"若非群玉山頭見 "漢詩の一部だということがわかったが、作者も題もわからない。この漢詩の全部を見たい。できれば、訳もほしい。

A:まず、「*漢詩大観」(921.08/K)の索引で"若"から検索。(句頭の文字から検索可能) 李白の清平調詞句三首(題)のうちの一首で、唐詩選の七言絶句の中のものだとわかる全文は、"雲想衣裳花想容春風拂檻露華濃 若非群玉山頭見 會向瑤臺月下逢"というもの。 漢詩・漢文の題や出典を調べる方法は、他に「*大漢和辞典 」(参考813.2/M)を引いて調べることもできる。句の一部である"群玉"を引いてみると群玉が山の名前で、李白の清平調詞の中の一語であることが記載されている。但し、唐詩選であることまでは載っていない。この場合は、"李白"から調べる。"唐詩選"とわかっている場合には"唐詩選"でOPAC(蔵書検索システム)を検索する。32件ヒットし、その中で"~訳" "~注"とあるものを選び、そのうちのひとつである「中国の古典」(928/C)第29巻唐詩選下を紹介。書き下しと詳しい解説がある。

英米文学編

Q:グレアム・グリーンの"The Revenge"という短編の翻訳が読みたい。OPAC(蔵書検索システム)で調べたが見つけられなかった。

A:OPAC(蔵書検索システム)と「*Nacsis-webcat」を"Revenge"で検索するが、どちらも不明。"グレアム グリーン"で再度 OPAC(蔵書検索システム)を検索。全集と選集があり、現物にあたるがどちらにも収録されていない。文学作品なのでまず「*明治・大正・昭和翻訳文学目録 」 (参考903月1日/K)にあたるが、昭和30年までに刊行されたものまでしか収録していないので、収録なし。「*全集・合集収載翻訳図書目録 45/75」(参考027.34/Z)を検索してみると、「現代の世界文学:イギリス短篇24」に"復讐"というグリーンの短篇があることがわかる。この「現代の世界文学:イギリス短篇24」を本学所蔵しているので、現物にあたる。 "復讐"="The Revenge"。「イギリス短篇24」(930.68/I)こちらを紹介。

Q:オビドもしくはオビディウスという人(ギリシアの哲学者)が書いた本が岩波書店から出版されているらしいが、見ることができるか?

A,「*Nacsis-webcat」・「*国立国会図書館(Ndl)」ずれも上記表記ではなし。「*翻訳図書目録 」(参考027.34/N)の著者索引で原綴り(Ovid)を確認して再度Nacsis-webcatを検索。Ovidと岩波書店で掛け合わせ検索をすると「変身物語」(992.1/O)(岩波文庫)と判明。本学所蔵。

Q:ケイト・ショパンが書いた"The Story of an Hour"の翻訳が見たい。

A:まず、"The Story of an Hour"でOPAC(蔵書検索システム)を検索してみるが、該当資料はなし。"ケイト ショパン"で検索すると、翻訳書が2冊ヒット。いづれも「目覚め」(A933.0/C-7)刊行年と訳者が異なる。どちらも、検索結果のところにある、Isbnで紀伊国屋Bookwebに飛ぶので、内容を確認。その中の1冊に「一時間の物語」とういう短篇が収録されていることがわかる。現物を確認。こちらを紹介。

日本史編

Q:万葉集にでてくる地名の現在の地名と場所を知りたい。

A:国、郡、村のレベルであれば、 「*国史大辞典」(参考210月03日/K)の地名索引でも十分調べられるが、地名しかわからない場合には、まず、「日本歴史地名総索引」(参考291.03/N)で検索し、県名を調べて現代の地図にあたる必要がある。「日本歴史地名総索引」は全国の大字が五十音順に配列されている。また、画引索引もついていてる。内容は、"地名""読み仮名""県""旧国""市・郡""町・村""備考"となっている。

Q:"古代文化(雑誌)"に載った「刀伊の入冦(といのにゅうこう)」について書かれた、関幸彦先生の論文が見たい。Magazineplus(データベース)にはなかった。

A:再度、「*Magazineplus」 を検索するがやはりなし。国立国会図書館(Ndl)の「国内順次刊行物総目次・総索引一覧」(参考027.5/K)で1巻-40巻までの総目次が40(12)にあることがわかる。しかし、40巻までには記事なし。「古代日本研究文献総目録(著者別)」(参考210月3日/H)を調べると、関幸彦で掲載あり。41(10)p1-13

Q:近世における"暖簾"の色の違いについて調べている。商店によって色分けされているが、色の違いに理由があるのか

A:平凡社「*世界大百科事典」(CD-ROM版) によると、"目立つ・色あせしない"ということで、白・紺・茶が主に使用されたが、業種による色分けまでの記述ははし。「日本風俗史事典」(参考382.103/N)「日本史大辞典」(参考210月03日4/N)等でも色の違いまでの記述はなし。「日本屋外広告史/谷峰蔵著」(674.021/T)本学所蔵に"暖簾"記述あり。こちらを紹介。さらに「*Nacsis-webcat」で、”暖簾”を検索すると「暖簾考」(谷峰蔵著)という資料が見つかる。本学未所蔵のため閲覧に行ってもらう。

Q:平安時代の京都・伏見あたりの地図が見たい。道がついているもの。

A:「平安時代史事典」(参考210月3日6/H)に当たってみるが、平安時代の交通路としていくつかあるが、いづれも道が不鮮明。 「大日本讀史地図」(参考210月03日8/Y)に京都及び伏見付近・自平安至鎌倉として見つかる。

Q:日本の昭和11年が満州国の何年になるか知りたい。

A:歴史年表にあたる。「コンサイス世界史年表」(三省堂)(参考203月3日/C)がコンパクトでみやすい。 昭和11年=満州国、康徳3年。西暦・回暦・年号・干支・天皇・首相・中華民国・満州国とつづく。時代によっては、朝鮮・摂政などがある。

文化財編

Q:刀の鍔(つば)について調べていて、鍔に十字架が彫ってあるものが、本に紹介されている(写真あり、詳しい情報はなし)のだがその出典を知りたい。

A:前出の図書「鐔・小道具画題事典 」(756.6/N) によると、上記のような鍔を"切支丹鍔"と通称していることがわかる。 "切支丹鍔"で「日本刀大百科事典」(参考756.6/F)を調べてみるが、新たにマリア像を彫った鍔の図版がのっているも、出典はなし。インターネット等での検索も島原場内にある"キリシタン資料館"に多く所蔵されているとでてくるが、現物は確認できず。 隠れキリシタンであったために、出典のはっきりしたものが存在しないのが現状のようである。大正時代に趣味としての複製も多いらしい。「日本学術資料総目録(美術工芸)」(参考703月8日/N)に"キリシタン透鍔"(p680)が一点載っていて、東京国立博物館蔵だとわかる。「東京国立博物館図版目録鍔編」(参考703月8日/T)で現物確認。こちらを紹介する。

Q:酒飯論(しゅはんろん)の絵巻が見たい。できれば、カラーで。

A:まず、OPAC(蔵書検索システム)と「*Nacsis-webcat」を検索してみるが、該当資料はなし。絵巻なので、日本美術作品レファレンス事典(絵画篇近世以前)」(参考702月1日/N)にあたる。"酒飯論(しゅはんろん)"で調べてみると、「日本美術全集」講談社に収載とある。「日本美術全集」をOPAC(蔵書検索システム)検索。本学所蔵。12巻「水墨画と中世絵巻」(大型708/N)の中に掲載されていることを確認。カラー。こちらを紹介。 この「日本美術全集」全25巻には総索引があり、索引からでも検索は可能。

教育・保育編

Q:J・Deweyの教育について英語で書かれた論文リスト(1996年から現在のもの)が欲しい。

A:Eric(教育関係のDb)が無料なのでこちらを検索。検索式は、Dewey+John+education+ Englishと 1996or1997or1998or…2000"

Q:広場・公園など、遊べるスペースの昭和前期と現在(平成10年くらい)の数を知りたい。

A:「統計情報インデックス2001」(参考351/T)で公園の項目を検索。住宅・土地統計調査報告など、いろいろな統計が見つかるが、いづれも本学に所蔵なし。「日本統計年鑑」(参考351/N)を調べてみると、"公園"の項目(項目番号21-13)があり、都道府県別の県立自然公園及び都市公園の数・面積がわかる。但し、この調査は昭和46年より始められたとの記述により、昭和前期についての数値はないため、昭和46年分と平成10年を紹介。 「日本アルマナック」(参考 059/N)にも"都市公園数"として近隣・児童公園などの数もでているが、1984-1993年分のみの所蔵。

Q:学校制度(6・3・3年制等)について、明治から現代まで図で一覧できるものはないか

A:教育関係の辞典等をいくつも当たってみるが、解説はあるが、一覧できる図は載っていない。あたった辞典類からこの学校制度を"学制"と呼んでいることががわかり、"学制"とういうキーワードで蔵書検索をしてみると、何件かヒット。その中で「学制百二十年史」(373.1/M)の中に"学校系統図"として明治から改革が行われたごとに図になっているものがみつかる。 後日別件で、「新教育学大事典 」(参考370.3/S)を引いてみると、資料として独立した第7巻に"主要国の教育制度"として日本だけでなく、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・ソビエト・中国の教育制度が簡単な解説とともに図で示されたものが見つかる。「日本史総覧」(参考210月03日/N)には近代学制史年表」あり

人物編

Q:江戸の町人の娘お仙について知りたい。伊庭竹坡(読み不明)という人が書いたものがあるらしい。

A:「*国書総目録」(参考025.1/K)にあたるが、"伊庭竹坡"ではなし。「*日本古典文学大辞典」(参考910月3日/N)に"伊庭竹坡"であたると、「売飴土平伝」の付録に「阿仙阿藤優劣弁」というものがあることがわかる。翻刻が「新百家説林2」(911月19日08/O)に収録されている。本学所蔵。 追記:後日、「日本架空伝承人名事典」(参考388.103/N)を購入。"笠森お仙"としての記述あり。 (お仙で検索可能)図版(立ち姿)あり。

Q:平安時代の人物で"やまだのあま"という人を調べたい。

「平安時代史事典」(参考210月3日6/H)で"山田尼"を調べてみるが、事項・人物ともになし。「*国史大辞典 」(参考210月03日/K)で、検索してみると、"あまかずら"の項目に出てきて、名香「侍従」を創製した人物とわかる。香関係の項目を「平安時代史事典」に当たってみるが、山田尼なし。しかし、国史大辞典も平安時代史事典も参考文献として「薫集類抄」を挙げているので、「薫集類抄」を「*国書総目録」(参考025.1/K)で検索してみると、「群書類従」遊戯部(081/G)第19巻に収録されていることがわかる。「薫集類抄」に山田尼=山田中務=藤原致貞女である記載(p528)があり、再度"山田中務"で「平安時代史事典」を検索。p1800に記載あり。その他、「*国書人名辞典」(参考281.03/K)にも"山田中務"として記述あり。「平安人名事典」(参考281.03/M)には"藤原致貞女"として記述あり。

Q:古文書にでてくる"勝茂公"とういう人物について知りたい。佐賀の人らしい。

A:"勝茂"で日本史事典を引いてみるが、該当なし。苗字を「名前から引く人名辞典」(参考281.03/N)で確認し、佐賀藩主鍋島勝茂だと判明。"鍋島勝茂"で「*国史大辞典」(参考210月03日/K)を検索。10巻p726。 参考文献によれば、「佐賀県史」「佐賀市史」にも記述あり。

Q:国立国会図書館(Ndl)の図書館研究所の現在の所長の名前を知りたい。

A:H13年度「職員録」で「国会」を検索。記載あり。

Q:"鳥見迅彦(とみ はやひこ)"という詩人の没年を知りたい。

A:文学事典等には没年の掲載がないとのこと。生年が1910年ということなので、既に死亡している可能性が高いため、国立国会図書館(Ndl)の著者典拠目録にあたるが、没年の記載なし。以下参考資料すべて記載なし。 唯一、「*DNA(朝日新聞記事索引)」の検索結果で「詩界回顧」という記事の一部に1990年に死亡していると思われる箇所あり。再度1990年の国文学年鑑を検索するが、死亡の記載はない。新聞の縮刷版をコピーして渡す。 参考資料:DNA、「*国文学年鑑」(参考 910月3日/K)(その年度の訃報情報あり)、現代物故者事典1990-(参考280.3/G)、著作権台帳第25版(参考281/C)、訃報Db(産経新聞)

Q:横浜の青少年センター初代所長"朝比奈貞一"のプロフィールを知りたい。

A:物故者のデータベース及びインターネットを検索するが不明。 青少年センター初代所長ということから、「横浜近代史総合年表 」(参考K1/M)の索引を検索。没年の記事があり。1978年10月25日没77歳。この情報から、1978年以前の「日本紳士録」(参考281.03/N)にあたる。情報あり。 「日本紳士録」は4年に一度刊行。その記録は、年度によって多少異なっているため、一番新しいものを紹介。

仏教編

Q:道元禅師の"傘松道詠"の現代語訳のものはないか。

A:傘松道詠"でOPAC(蔵書検索システム)を検索。ヒットせず。「日本仏教全集叢書資料総覧」(参考180.31/O)を引いてみると、高僧名著全集、承陽大使聖教全集、曹洞宗全書に収録とある。このうち、本学所蔵本は、「曹洞宗全書宗源下」(188.808/S)のみ。現物を確認してみると書き下しではあるが現代語訳ではないもよう。道元禅師全集に直接当たってみるが、"傘松道詠"では未収。さらに、「*国書総目録」(参考025.1/K)を検索すると、上記3点以外にも「釋教歌詠全集」「禅林叢書」「道元禪師語録(岩波文庫)」「道元禅師全集」等多数。そのうち「釋教歌詠全集」(911月08日/S)「道元禪師語録(岩波文庫)」(188.84/D)は現物を確認することができ、現代語訳とわかり、こちらを紹介。「道元禅師全集」(188.82/D)には"道元禅師和歌集"として収録されていることがわかる。

Q:日本のお墓の歴史について知りたい。

A:考古学、日本史、民族学等いろいろな分野にまたがるため、具体的には"何を"と確認し、墓相について一番知りたいということなので、「墓と仏教 : その歴史と墓相批判」(148.5/M)と「墓相大鑑 / 矢島俯仰著」(148.5/Y)を紹介。

Q:「地藏菩薩發心因縁十王經 」の原文が見たい。

A:「*Nacsis-webcat」 で検索。「大日本續藏經 : 靖國紀念 / 前田慧雲編第1輯第 2編乙第23套4冊」にあることがわかるが、本学未所蔵。「日本仏教全集叢書資料総覧」(参考180.31/O)で調べてみると、「国訳一切経大集部5」(183/B)にも収載されていることがわかる。訳として、こちらを紹介する。また、「仏書解説大辞典」(参考180.3/B)を調べると、卍続(=卍続蔵経)にも入っていることがわかる。「卍續蔵經 / 新文豐編審部編」(183/B)仏研。卍續蔵經の総目録から、150巻p769にあることがわかる。「仏書解説大辞典」は漢字で検索。読みと簡単な解説のほかに書誌事項・原本の所蔵館、収められている蔵経、参考文献が載っている。

その他編

Q:群書類従の中にどんな資料が含まれているか知りたい。

A:「*全集・叢書細目総覧 第1巻 古典編」(参考027.4/k)の全集・叢書一覧(五十音順)で、「群書類従」を調べる。出版等の書誌事項のほか、全29冊の内容が10ページに渡って記載されている。 「全集・叢書細目総覧 古典編 索引」(参考027.4/K)では、個々の資料がどの全集・叢書に含まれているかがわかる。付録に部首から引ける"難読索引"あり。

Q:良薬躾方という江戸時代の資料をみたい。複製でもよい。

A:「国書総目録」(参考025.1/K) を検索するが、活字本はなし。「国書総目録」刊行以降に活字化・複製されている可能性もあるので、「*Nacsis-webcat」 を検索すると、「往来物体系(復刻版)」の中の「教訓科往来」に収録されていいることがわかる。「教訓科往来」で再度、蔵書検索。本学所蔵。「教訓科往来」(370.9/O)こちらを紹介。 Nacsis-webcatはさかのぼるが進んでいるので、最初にこちらを検索すれば早かった。

Q:漱石のエッセイに明治30年に30銭で古書を買ったという記録があり、この当時の30銭の貨幣価値を知りたい。

A:"物価"でOPAC(蔵書検索システム)を検索する。「日本の物価と風俗のうつり変わり」(337.821/N)という図書の付録に「明治・大正・昭和・平成値段のうつり変わり」という一覧表があり。5年刻みで平成までの価格表がついている。平成7年まで調べられるので便利。こちらを紹介。 「日本史総覧(新人物往来社刊)」(参考210月03日/N)第6巻にも"近代米価一覧"がありこちらは米・しょうゆ・牛乳のみ。一年刻み。昭和20年まで。

Q:文化財保護法の英語表記が知りたい

A:「Koudansha Encyclopedia Of Japan」(参考033/K)にて検索。日本文化を英語で紹介するのに便利。

Q:いくつかの外国の地名の漢字での記述を知りたい。

A:「あて字・用例辞典」(参考811月2日/S)に外国名一覧があり。この資料を紹介。

Q:海外旅行関係の統計がしりたい。海外へ行く人はどのくらい増えているのか。

「統計情報インデックス」(参考351/T)のキーワード"海外旅行"で検索。"全国旅行動態調査報告書」(総理府)がでていることがわかるが、本学未所蔵。 「日本の白書」(参考059.1/N)に"観光白書"の項目があり、旅行先・旅行者性別・年齢別等の統計あり。こちらを紹介。 最新の情報はインターネットの官公庁のホームページを参照する。

Q:書道を外国人に説明するための資料はないか "英語でよいとのこと。

A:「Koudansha Encyclopedia Of Japan」(参考033/K)に詳しく記載されている。また、「日本文化を英語で説明する辞典」(参考302月1日/N)も併せて紹介。こちらは簡略。

Q:明治の民法婚姻制度・家父長制度に関しての法令の原文が見たい。

A:明治民法がいつできたものが、「旧法令集」(参考320.9/N)にて確認し、「法令全書」(参考 320.91/H)にあたる。見たい法令の原文はなし。「日本婦人問題資料集成第5巻家族制度」(367.2108/N)の中に、一部条文と詳しい解説があり。こちらを紹介。

Q:中右記の中の"保延3年正月の8日"が立春かどうか知りたい。

A:まず、元号・西暦対照表で"保延3年"が西暦何年になるかを確認する。日本史の事典等に対照表がたいていついている。保延3年= 西暦1137年。「日本暦日総覧」(参考449.81/N)にあたる。保延3年は立春。 この暦日総覧では、日付・その日の干支・納音(なっちん)・十二直・七曜・二十四節気などがわかる。 「日本暦日総覧 」は現在も刊行中

Q:翻訳をしていて、人物の名前(ファーストネーム)の日本語読みを知りたい。発音記号でもよい。

A:英語は「Pronouncing dictionary of proper names 」(参考831.1/B)「English pronouncing dictionary 」by Daniel Jones (参考831.1/J)・「固有名詞英語発音辞典」(参考831.1/K) があるが、その他の言語については、このタイプの資料は未所蔵。他に「データで読む英米人名大百科」(参考288.103/D)に和英・英和の索引がある。ファミリーネームからの検索でもよければ、「*翻訳図書目録」(参考027.34/N)原綴りと仮名表記の索引あり。 地名は「中・日・欧対照世界地名辞典」(参考290.3/C) 「世界地名大辞典・索引」(参考290.3/S)多数。

Q:明治44年に新潟まで行く交通手段として、鉄道があったのか。卒論で調べている。

A:「日本史総覧」(参考210月03日/N)第6巻に"国鉄主要路線開通一覧"ありPp328に信越本線(高崎-長野-新潟)開通、明治37年(1904)とある。高崎までは、高崎線(明治17年開通) その他にも、「日本の鉄道と時刻表」(686.21/N)の年表の中に開通の日本地図がある。明治5年から10年きざみ。
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